プロフィール

「癒しの道」を見つけるまで

医師から言われた「仕事をやめなさい。」

かつて私はロンドンの金融業界で働いていました。高収入で忙しく刺激的な日々──
でも、休みの日でさえ心が安らぐことが出来ないことで心と身体は次第に悲鳴を上げていったのです。
体調不良が続く中、ついには医師から「仕事をやめなさい」と言われたのです。

仕事をやめて健康を取り戻す努力とともに自分の人生を見つめ直していた時に出会ったのがアロマセラピーでした。精油の香り、植物の力、そして人の手のぬくもり。
それらに身を委ねるうちに、心も身体もほどけていくのを感じ、私は感動し、アロマセラピーを学びたくなったのです。

イギリスでアロマセラピーの資格を取得し、1995年に夫とともに日本へ帰国。
その後はセラピストとしての仕事に加え、セラピストを育てる仕事を担うことになりました。

闘病中にも癒しの時間──クリニカルアロマセラピー

イギリスでは病院の中でアロマセラピーがごく自然に提供されていました。
それは「クリニカルアロマセラピー」と呼ばれ、心身の苦痛を抱えた患者さんに寄り添う仕事です。

自分の家族が深刻な病にかかっていたこともあり、日本でもクリニカルアロマセラピーを実践したいと決意し、1990年代後半から少しずつ活動を始めました。当時の日本医療現場ではアロマセラピーなどほとんど知られておらず、「本当に効果があるのか？」「患者さんに使って安全なのか？」と、最初は疑いの目を向けられました。それでも地道に活動を続けるうちに少しずつ信頼を得られるようになっていきました。

その20年後、関西を中心に病院やマタニティクリニック、高齢者施設、障碍者施設、メンタルクリニックなどで私からアロマセラピーを学んだ方々が年間１万件を超えるアロマセラピーの施術を行うようになっていました。私自身も総合病院の緩和ケア病棟で17年の間、施術を行ってきました。患者さんのお顔が精油の香りと優しい手のぬくもりによって穏やかな表情に変わるのを見ることが出来たときは頑張ってよかったと思いました。

肌に何も塗布したくない方はリンパドレナージをお勧めします。

アロマセラピーでは最高級の精油と植物油を皮膚に塗布して浸透、吸収させます。

疲れ、不眠、便秘、術後の回復、心の不調、ストレス、美容…。それぞれのお悩みに寄り添い、そっと背中を押すような、そんな施術を目指しています。そして何より、「とても気持ちがいい！」という声が、私にとって何よりのご褒美です。

明日香の地から

2023年秋、長年の夢だった奈良・明日香に移住しました。古代から受け継がれる日本人の感性、自然や信仰とともにある暮らしが息づくこの土地に、私は深く魅せられてきました。

東京で生まれ育ち、ずっと都会の中で働き続けてきた私にとって、明日香はまるで心のふるさとのような場所。ここでの暮らしは、自然とも人とも距離が近く、ゆったりとした時間の流れの中で、自分自身も癒されていくようです。

今では、明日香の地を拠点に施術やワークショップ、セラピストの育成を続けています。
そしてこの地のコミュニティの一員として、小さな力かもしれないけれど、誰かの役に立てることを願いながら、日々この道を歩み続けています。